FM/ウェーブテーブルの現在〜WAVES Codex Wavetable Synth

『FILTER Volume.02』掲載企画“FM/ウェーブテーブルの現在”では、シンセ・シーンで再び注目を集めているFM/ウェーブテーブル・シンセサイザーを特集。各メーカーからリリースされている最新のFM/ウェーブテーブル・シンセのレビューをWebでも公開! 

ハードウェアの感覚でウェーブテーブルの
音作りが楽しめるソフトシンセ

Codex Wavetable Synthは、ウェーブテーブル方式によるソフトウェア・シンセサイザー。64波形からなる64のウェーブテーブルを内蔵するほか、オーディオ・ファイルのインポートも可能。原音のピッチが整えられ、平滑化されるようにウェーブテーブルに変換されるのが面白い。

ウェーブテーブル・オシレーターは、とても使いやすい。3D波形表示を見ながら、Start、Mid、Endの3ポイントを設定し、立ち上がりの音色変化とループを簡単に設定できる。LFOやエンベロープをアサインしなくても、オシレーターだけで基本設定が行えるのが快適。さらに、レゾリューションを落として初期デジタルのような粗い音色にしたり、サブオシレーターを加えて重心を低いサウンドにすることも可能。さらに2オシレーターをシンクやクロス・モジュレーションで掛け合わせることもでき、オシレーターによるサウンドの幅は非常に大きい。

オシレーター以後の音作りは、伝統的なアナログ・シンセサイザーと同様で、LP/HP/BP/BRの4モードと2ポール/4ポールに切り替え可能なフィルター、3エンベロープ、4LFOに、マトリックス・モジュレーションと高機能。また、アルペジエーターとステップシーケンサーも装備する。

エフェクターでは、定番のリバーブやコーラスのほか、ビットクラッシャー、ディストーション、グラフィック・イコライザーも装備。プラグイン・エフェクターで定評のあるウェーブス社だけに、いずれも効きが良く、質感もこのシンセサイザーによく合っている。パラメーターがシンプルなのも、内蔵エフェクターへのポリシーがうかがえ好感が持てる。

本機は、とにかく操作がわかりやすく、ウェーブテーブルの音作りが存分に楽しめる。出音も基本的に混じりがよく高品位だが、設定によってはダークで荒々しい音も可能。プリセットも豊富で、エレクトロやシネマティックまで豊富に網羅されている。ウェーブテーブル初心者にも、即戦力の音源を求めるクリエイターにもお薦めの機種だ。(文:高山博)

製品情報

WAVES Codex Wavetable Synth

価格●26,400円

Specifications

【Mac】●CPU:Intel Core i5/i7/i9/Xeon/Apple M1(ClarityおよびCOSMOSを除く)●メモリ: 8GB RAM(16GB以上推奨)、16GB 以上の空きシステムドライブ●OS:10.14.6, 10.15.7, 11.6.2, 12.1●"Metal"対応グラフィックプロセッサ搭載の以下のモデルに対応:MacBook 2015以降、MacBook Air 2012 以降、MacBook Pro 2012 以降、Mac mini 2012 以降、iMac 2012 以降、iMac Pro、Mac Pro 2019以降(MacPro2015以前のモデルについては、Metal対応モデルも含めてサポートされません)●Apple Silicon MacモデルについてはM1プロセッサ対応状況をご覧ください。●ディスプレイ解像度: 最小: 1024×768、推奨: 1280×1024/1600×1024
【Windows】●CPU: Intel Core i5/i7/i9/Xeon/ AMD Quad-Core丸メモリ:8GB RAM、16GB 以上の空きシステムドライブ●OS: Windows 10 64 bit(2004 以降),Windows 11 (Build 22000.194)●ディスプレイ解像度: 最小: 1024×768、推奨: 1280×1024/1600×1024

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